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ロシアW杯GroupD アルゼンチンvsアイスランド 戦評

お互いのサッカーのスタイルが水と油な両チーム。
「地力の差はある」と前評判では伝えられていましたが、FIFAランク10位と22位とそれほど離れているわけではない。
あまり出逢ったことがないチームだからこそ、普段持っている引き出しから何を選べるかというのが大事だったんじゃないのかな~と思ったり。
 
・プランAにこだわるのがいいのか、潔く捨てるべきなのか
・観客というか、場の空気をどう味方につけるか
 
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スタッツはこちら。
  • システム
 
アルゼンチン 一応、4231っぽい感じのスタートだったけど、
攻撃時は両サイドが外に張ってバイタルはメッシ用に空けてある感じ。
アイスランド すがすがしいほどの442。
 
  • 時間帯別メモ
 
1分 アルゼンチン ビルドアップは両CBが大きく開くところから
2分 アイスランド 442でしっかり守ってる
3分 アルゼンチン バイタルにあまり人を入れない
5分 アイスランド マイボールになったらシンプルに蹴ってくる
6分 アイスランド ビャルナルソンはめっちゃ北欧メタル聴いてそう
7分 アイスランド メッシは17番がよく見ている
9分 アイスランド ビルドアップのスキを衝いて左CBを強襲、パスミスをうばって決定機もビャルナルソンは枠外。
13分 アルゼンチン メッシが中盤まで落ちてきてフリーで受けてハーフスペースへ。
14分 アイスランド 44ブロックに入ってくるまではメッシにはフリーで持たせるスタンス ただメッシもブロックの間にポジションどってボールを受けようとする
16分 アイスランド メサ⇒メッシへのパスコースを奪いどころにしている感
19分 アルゼンチン ロホ?からのシュート性のパスをしっかり懐に入れたアグエロが素晴らしいターンからのゴール!あえて寄せてこれない距離までボールを逃がしてからコース作って蹴るまさにストライカーって感じのゴール。
24分 アイスランド 大エースシグルドソンが右サイドに出てクロス。左右に振り回されて真ん中のマークが混乱しているなか再びシグルドソンのクロスをはじいたこぼれ球に反応したフィンボガソンのゴール!すぐに追いついたアイスランドのメンタリティは流石。
28分 アイスランド ロングボールのこぼれをマイボールにできるのが大きい。
30分 アルゼンチン メッシは最終ラインに近い位置まで下りてくる。
31分 アイスランド グンナルソンが審判に足踏まれる。かわいそう
32分 アイスランド メッシを囲んで奪いに行ってチャンス。
34分 アルゼンチン 最終ラインがかなり余裕を持てるのでサイドの裏に出すがSBがクリア。
37分 アルゼンチン メッシがバイタルを出入りすることでかなりアイスランドのブロックを揺さぶっているイメージ
41分 アイスランド 久しぶりに保持できる形になるがボランチのところですぐ奪われる
41分 アルゼンチン メサの突破でハンドっぽい形になるが故意でないのでファウルならず
42分 アイスランド オタメンディのところで高さで勝てないのが痛い
44分 アルゼンチン メッシのトラップが流れたというかスペースに流そうとした?
45分 アイスランド やっぱ局面で競り勝てるのがでかいな~
 
前半短評
 
当初の予想通りアルゼンチンが保持、アイスランドがカウンターという形が明白なゲームに。
アルゼンチンは最初はGK+2CBでビルドアップを図るもアイスランドのハイプレスを受けてからはマスチェラーノを最終ラインに落として3人をビルドアップの起点にする形にした。結果として最終ラインの一本のパスで先制点を奪うも、そこで落ち込まなかったアイスランドシグルドソンの素晴らしいサイド攻略とクロスからゴール。お互い自分たちのストロングポイントをベースに得点を奪うことができたと言えるのでは。
アルゼンチンはメッシ以外をいかに使うかがカギか。アイスランドは高い位置で奪えるシーンも多いので、このままでも点取れそう。
 
後半
 
1分 アルゼンチンの保持は変わらず。マスチェの位置がやや高くなった?
4分 アイスランド カウンター時のシグルドソンのフリーランめっちゃうまい
7分 アルゼンチン バイタルに入ってくる選手がいない。
8分 アルゼンチン ビリア⇒バネガ。めっちゃ攻撃的!
11分 アルゼンチン メッシの突破からアグエロにボールが届くもシュートは打ち切れず
12分 アルゼンチン ワンタッチだとアイスランドのマークもはがれる
13分 アイスランド カウンターの際のフリーランよく整理されてる感ある
14分 アイスランド メッシに狙いをしぼっているのか、3人がすぐ集まる
15分 アルゼンチン バネガは運ぶドリブルで時間つくろうとするがその次だな~
17分 アルゼンチン メッシからのミドルパスでPK誘発もメッシのPKはハルドソンがセーブ!やばい空気になってきた~
21分 アルゼンチン やや遠い位置からのFK、メッシが直接狙うも枠を外す。メッシ~
24分 アルゼンチン メッシの位置がやや高くなってきた
26分 アルゼンチン セカンドボールを絶好の位置でメッシ拾うもシュートまでいけず。UTのメッシなら決めてるわ
28分 アルゼンチン マスチェラーノが良い位置でセカンドボール拾えるのでずっとアルゼンチンのターン
30分 アルゼンチン ディマリア⇒パボン ディマリア下げるか~~
31分 アイスランド グナルソン⇒スクラソン スクラソン比較的背が低い
33分 アルゼンチン マスチェからのナイスパスもシュートまではいけず
36分 アルゼンチン バイタルで受けたメッシがミドルも枠を外す
39分 アルゼンチン メサ⇒イグアイン
41分 アルゼンチン 4312のような形?
43分 アルゼンチン ずっと保持するもクロス蹴れないので怖い形が作れず
43分 アイスランド フィンボガソン⇒シグルダルソン 相当走ってるので足攣ってる カウンターの走力なくなってる感
45+5分 アルゼンチン メッシのFKは壁に当たって試合終了
 
 
  • 総評
 
凡戦と評されそうだが、お互いのチームスタイルがよく出た一戦だったように思う。
アルゼンチンはとにかく、「メッシにボールを集めてなんとかする」というプランAに最後までこだわり続けていたように見えた。それに対してアイスランドが選択したのは、「メッシから奪ってチャンスを作る」という相手のプランAへのこだわりを逆手に取った戦術だったのでは。21回ものインターセプトを記録していた(アルゼンチンは3回)ということで、狙いがきっちり数字にも表れている。
前半が終わった時点ではアイスランドの逆転も十分ありえると踏んでいたが、後半はマスチェラーノが高い位置でボール回収を繰り返していたため試合は常にアイスランド陣内で展開されることに。結果、奪ってからゴールまでの距離が非常に長く、頼りのロングパスも収まらない(意外にも、身長ミスマッチの割に、空中戦勝率・デュエル勝率はアルゼンチンのほうが上。準備の質ってやつか)。結果アイスランドは敵陣まで走れなくなってしまい、最終的には前半シュート7本に対して後半は1本と、ほぼアルゼンチンにペースを握られ続ける試合になってしまっていた。ただ、最後までしっかり守備を固め、ゴールを割らせなかったアイスランドの高い集中力には感動。
アルゼンチンはPK失敗を初め、メッシが最後まで乗れなかったように見えるが、これは普段の対戦相手とアイスランドのサイズが全く違ったことも影響したんじゃないかなと思っている。体がでかいということは、それだけシュートコースも狭まるので、普段なら超えられていた壁や通っていたシュートコースにことごとく邪魔な10cmが入りこみ、フラストレーションが溜まっていたのではないかと。
PKが入っていればなんのことはない試合だったのかもしれないが、アルゼンチンはメッシがうまくいかなかった時の次善の策が練られていないように感じた。あくまで、結果論ですが。イグアインを入れる時間ももっと早くてよかったと思うし、ボールを集めるわけでも、アーリーでクロス打つわけでもなかった。
昨日のポルトガルとあえて比較するなら、「使おうとしたメッシ」と「使われようとしたロナウド」の差のように見える。メッシ⇒誰か⇒メッシ にするより、誰か⇒ロナウド にしたほうがシンプルで力発揮されそうだよね。その辺どうなんだろ。できなくはなさそうだけど。
 
おしまい。
サッカー面白いです。