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ロシアW杯GroupF ドイツvsメキシコ 戦評

前回のW杯とはかなりメンバーも変わっているが注目したいのは新フォワードのヴェルナー。
メキシコはエールディビジで大活躍のロサノがどこまで違いを見せられるか。
 
ダイジェスト。

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 スタッツ。
  • システム
メキシコは4231。トップ下のベラが割と自由に動く。
 守備時もシステムは変わっていないがブロックを敷くというよりは2列目から下はマンマーク
ドイツは守備時442で攻撃時はSBがかなり高い位置をとって325とか235みたいな感じ。
 
  • 時間帯別メモ
1分 ドイツは守備時442のセット。ハイプレスいかない
1分 メキシコ 調子のいいロサノがいきなりチャンス。オフサイドなりかけだったがキミヒが背中とられてはがされる
2分 メキシコ セットプレーにやはり得点の匂い
3分 ドイツ ヴェルナーがミュラーからパスを受けてラインの裏に抜けてシュートまでいくも枠外
4分 ドイツ ヴェルナーは右サイドによく流れている
5分 ドイツ クロースが最終ラインまで落ちてビルドアップに参加
6分 ドイツ ミュラーが裏抜け。ヴェルナーとミュラーは流動的にポジションを変えている ゼロトップのようにも見える
7分 ここまでお互いに点が入りそうな予感がすごい
10分 メキシコ バイタルに数人はいってシュートまでいく ロサノの突破を嫌ったのかアタックに行かなかった
12分 ドイツ ボアテングはわりと早い段階で蹴る そして右サイドに開いている
13分 ドイツ やはり44ブロック 相当ボールサイドに密集してる メキシコは1タッチでバイタルを攻略
14分 メキシコ セットプレーでシュートまでいく ドイツの守備はゾーンっぽい
15分 ドイツ キミヒが右に上手く飛び出してクロスまでいく
18分 メキシコ チチャがCBSB間を抜けてシュートチャンスも蹴れず
20分 メキシコはマンマークのような形。ミュラーとヴェルナーが受け渡しを逆手にとって入れ替わってスペース作って抜け出す
22分 ドイツ ロサノはキミヒについていかないので大外にパスコースができる クロス蹴ってくださいと言わんばかり
24分 メキシコ ドイツFK時にカウンター要員3人残してる
28分 メキシコ ボール保持時は433のイメージ ドイツがハイプレスにこないのでわりと余裕を持てる
29分 メキシコ 1列目は全然追わない 突破させることは織り込み済みの感
30分 ドイツ 1列目が追わないのを見てボアテングが持ち上がってロングボールを逆ハーフスペースに
34分 メキシコ 1対1に勝ちに行くという気迫を感じる
35分 メキシコ 自陣で奪ってのカウンターから左サイドに駆け上がってきたロサノがうまく切り返してDFはがしてメキシコ先制!!ちょうどキミヒがオーバーラップしようとした瞬間に奪われたのでメキシコの右サイドに広大なスペースが。
39分 ドイツ クロースの素晴らしいFKもオチョアがナイスセーブ
40分 メキシコ CBが遅延行為でイエロー はえーよ
41分 ドイツ ボアテングからミュラーに良いボールが入るが触れず メキシコは常にボアテングを自由にしている
42分 メキシコ 同点に追い付いてからロサノはキミヒを見るようになった
43分 ドイツ 回せるが縦にボールが入らない
45分 前半終了
 
前半短評
 
いやー潔い!メキシコ!
おそらく世界1、2を争うレベルでビルドアップがうまいであろうドイツ相手にメキシコが取ったのは「ビルドアップは放置する」という選択肢ボアテングが2列目まで入ってこようがキミヒが高い位置をとってこようがおかまいなし。3列目以降に敷いたマンマークのどこかでデュエル勝ちできればOK!なスタンス。死なば諸共。
ドイツはメキシコのマンマークに対してゼロトップに近い形でヴェルナー・ミュラーエジルが流動的に動くことでボールを引き出し、実際チャンスも作っていたがややピッチに慣れていないのかパスミスが奪われてカウンター、のシーンが目立った。流動的に動くということは、ネガティブトランジション時にポジションが崩れているということでもある。メキシコはキミヒをフリーにしておくことで危険なパスコースを明け渡していたが、ボールを奪いさえすればキミヒの裏にある広大なスペースを攻略し放題になっていた。
先制したことでメキシコは守備的なゲームプランを選ぶだろうが、ドイツが黙ってやられっぱなしになっているとは思えないので、2点目をどこかで取りに行けるかどうか。
 
後半
 
1分 ドイツ ボアテングはやはり高い位置 しかしパスミス。ここも芝の影響がでているか
2分 ドイツ 両SBはどちらも高い位置を取る クロースが最終ラインまで落ちる
2分 メキシコ 守備時は右サイドハーフが下がって半分5バックみたいな形 7番はプラッテンハルトについていく
3分 ドイツ プラッテンハルトが上がっても使われないっぽいのが悲しい
4分 ドイツ キミヒに高い位置を取らせて右サイドからチャンスを作るのは変わらず
5分 メキシコ ロサノは1対1になるとなんかやってくれそう感がある
7分 メキシコ 引き続きマンマーク気味なのは変わらず
8分 ドイツ 早い段階でクロスを上げることが多くなる メキシコのカウンターを警戒しているか
9分 ドイツ メキシコのビルドアップのミスからショートカウンターでヴェルナーもゴールならず
10分 ドイツ エジルがバイタルで受けてドラクスラーに流すがシュートは枠外 ややシュートのタイミングで焦ったか
11分 メキシコ カウンターで同レーンor隣接レーンに2人まとめて走る形がこの試合で数回ある 2CBでカバーしきれないスペースを
13分 メキシコ ベラ⇒アルバレス
14分 メキシコ アルバレスがアンカーのような形で451か4141のようなセット 守備的にいくにはやや早い時間帯だがどうか
15分 ドイツ ケディラ⇒ロイス
16分 ドイツ エジルボランチの位置まで落ちてロイストップ下の4231みたいな
17分 メキシコ 451にしたせいでカウンターの怖さは薄れる
21分 メキシコ ロサノ⇒ヒメネス
22分 メキシコ ヒメネスはそのまま左に入る。押し込まれてカウンター時に蹴り込める場所にするため?
22分 ドイツ 中央をマンマークのはがし方のお手本みたいなパス交換で突破もオチョアがセーブ
25分 メキシコ チチャのすばらしいポストプレーから抜け出してカウンター。コケずに蹴れればってシーンだけどノイアーのプレッシャーってすごいんだろうなぁ
28分 メキシコ グアルダードマルケス さらに守備にウエイト
29分 ドイツ ボアテングからの縦パスを下りてきて受けるシーンが増えてきた
31分 メキシコ 5バックに変更するも、薄くなったバイタルに出てきたクロースがミドル 危機一髪
32分 ドイツ ずっとドイツのターン 5レーンにパスコースがあるので無限にパス出せる
33分 メキシコ 7番が抜け出してカウンターも枠外
34分 ドイツ 両SBが最前線で開いて右クロスで視野リセットからの左クロス
35分 ドイツ プラッテンハルト⇒マリオゴメス クロス大作戦いくぞ~~~
36分 メキシコ カウンターの大チャンスはスルーパスが通らず ドイツの前線の戻りが遅くなってきた
37分 メキシコ 再びカウンターから7番ラジュンのシュートは枠外 戻ってきてないからもう1手あってもよかった
38分 メキシコ マルケスがコントロールミスするもうまく倒されてファール ミュラーイエロー 流石レジェンドや
39分 メキシコ 前線の戻り遅いと見せかけて2度追いでボアテングからボール奪う
39分 ドイツ メキシコのパスミスから大チャンスもヴェルナー。。オフ気味なのが2回ぐらい見逃されてる
40分 ドイツ ヴェルナー⇒ブラント
42分 メキシコ ドイツも戻り遅いので1度カウンターに入ると結構時間使える
43分 ドイツ クロス大作戦がマリオゴメスに入るもしっかりヒットせず
44分 ドイツ 代わって入ったブラントが突破⇒こぼれ球にミドルでいきなりチャンスメイク ミドルはバーに当たる
45分 メキシコ 遅延行為で2枚目のイエロー
45分 メキシコ オチョアのキャッチングはほんと安定してるな
45+1分 メキシコ 全員守備 マルケスが走れるから俺も走れる感すごい
45+3分 試合終了 メキシコ守り切った!
 
  • 総評
メキシコの潔さに感動した90分。前半はドイツのビルドアップに対するケアをほぼ放棄してカウンターで絶対点を取るという強い気持ちで実際先制点を奪取。1点のリードを得てからはリスキーなカウンターをやめ、サンドバッグになるのも辞さない撤退戦術でクリーンシート。チーム全員から自分を犠牲にしてゲームプランを遂行するんだという強い意志を感じた。日本代表はメキシコをロールモデルにすべき!というよく聞く言説にも頷きたくなる。目立ったのはやはりチチャリート。体格は小さく、かつ世界トップクラスのCB二人を背負っているにもかかわらず前後半通してポストプレーの選択で常に正解を選び続けていたのがすごい。逆にシュートシーンではあまり良い選択肢を持ててなかったように思うけど。
一方のドイツ、後半はメキシコがSBの上がりに合わせてサイドハーフを下げるようになったからか、ボランチがわりと高い位置で自由にボールを持てたこともありチャンスを量産していたもののシュート精度がいまひとつ上がってこなかった感じ。ただ崩しのアイデアは同じように攻防がはっきりしたアルゼンチンvsアイルランドと違ってとにかく多彩だったのが印象深い。まだ決まらんかまだ決まらんかという感じだったが結局決まらなかった。やはり、FWの高さが足りないという部分がネックだったのかもしれない。メキシコがあれだけのロングパス精度を持つボアテングに自由を与えていたのは、おそらくヴェルナーとミュラーなら蹴り込まれても対応しきれる自信があったからではないか。マリオゴメスが出てきたあとは、メキシコは2人で見ていたのでよりチャンスも作れていたように感じる。
さて、メキシコのゲームプランは見事だった。なんとなく、ラウンド16の格上(ブラジル)を想定して、そこをなんとしても超えようという執念のようなものを感じた。ただ、今後当たることになるスウェーデンと韓国に対しては全く別のプランで臨まなければいけないだろうから、それがしっかり練られているかどうか。一方のドイツは、残りの2試合でも同じゲームプランで対応を相手に強いることができるだろうし、なんなら2チームともカウンターの牙はメキシコほど鋭くないだろうから、しっかり切り替えれば問題なくGS突破できるのではないか。ただし、2位抜けだとラウンド16は高確率でブラジル。想定外のスケジュールだろうから、ピーキングに苦労しそう。
 
楽しい。。でも、明日(てか今日)仕事なんですけど。
ブラジル戦はブラジルが勝ったらハイライトだけ見ます。Eグループは捨てる!